心臓核医学画像評価のための模擬ファントム作成に関する基礎的検討―虚血モデルを用いた検討

心臓核医学画像では,放射線医薬品を体内に投与しその集積度合いを画像にて評価し診断に用いる.その際,収集した条件・画像の再構成方法・表示の方法などが適切にできているか確認することは診断の質を担保するために重要となる.手法としては,既知の欠損や梗塞がどの程度画像の上で変化があるかを,視覚的もしくは定量的に評価するなどがある.そのため,市販されている心臓の模擬ファントム内にプラスチック製の1mm-3mmの欠損を前壁や下壁など任意の場所に貼り付け,撮像後解析を行っていた.しかし,設置する場所や大きさなど実施者による設定の違いで評価結果も変わってしまい,実施者に依存しない客観的な比較が困難であった.さら...

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Published in生体医工学 Vol. Annual56; no. Abstract; p. S337
Main Authors 本間, 優斗, 菊池, 明泰, 北間, 正崇, 奥山, 豪
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
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Summary:心臓核医学画像では,放射線医薬品を体内に投与しその集積度合いを画像にて評価し診断に用いる.その際,収集した条件・画像の再構成方法・表示の方法などが適切にできているか確認することは診断の質を担保するために重要となる.手法としては,既知の欠損や梗塞がどの程度画像の上で変化があるかを,視覚的もしくは定量的に評価するなどがある.そのため,市販されている心臓の模擬ファントム内にプラスチック製の1mm-3mmの欠損を前壁や下壁など任意の場所に貼り付け,撮像後解析を行っていた.しかし,設置する場所や大きさなど実施者による設定の違いで評価結果も変わってしまい,実施者に依存しない客観的な比較が困難であった.さらに,実際の病態は完全に欠損ではなく,一部正常部位もありその病態を再現できるものは今までなかった.今回我々は,標準的な画像評価のため10mm厚の心筋内に,20mmx20mm欠損および虚血モデルを数種類作成し,画像にて視覚的・数値的に比較検討した.虚血モデルはアクリル製で400mm^2の体積の60%から90%までを変化させて作成した.一定の間隔で虚血モデルを心筋内に装着し,放射性医薬品を注入後,臨床と同じ収集条件にて撮像し得られた画像にて検討した.結果,最大カウントと虚血領域のカウントの差をもとに算出したコントラストの値では,約75%から50%まで一定の割合でコントラストの低下があった.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S337