指腹剛性モデルに基づく指タップ力推定法

本論文では,指タップ運動中に発生する指間力を計測することを目的として,指腹剛性モデルに基づく新しい指タップ力推定法を提案する.提案法は,あらかじめ指腹部に発生する力と指腹部の変形量の特性をモデル化することにより,指タップ運動中の指接触面に力センサを取り付けることなく,指腹部に生じる変形量のみを用いて指間力を推定可能とする. 実験では,まず指腹部に発生する力と指腹部の変形量を力センサと磁気センサを用いて計測し,それらの関係をモデル化した.その後,指タップ運動中に発生する力を指腹剛性モデルを用いて推定した結果,力と積分筋電位の相関係数が0.74 ± 0.14と高い相関を示したことから,提案法の有効...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 37 - 44
Main Authors 横江, 勝, 島, 圭介, 田村, 康裕, 神鳥, 明彦, 佐古田, 三郎, 辻, 敏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2011
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ISSN0285-0885
DOI10.3951/sobim.35.37

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Summary:本論文では,指タップ運動中に発生する指間力を計測することを目的として,指腹剛性モデルに基づく新しい指タップ力推定法を提案する.提案法は,あらかじめ指腹部に発生する力と指腹部の変形量の特性をモデル化することにより,指タップ運動中の指接触面に力センサを取り付けることなく,指腹部に生じる変形量のみを用いて指間力を推定可能とする. 実験では,まず指腹部に発生する力と指腹部の変形量を力センサと磁気センサを用いて計測し,それらの関係をモデル化した.その後,指タップ運動中に発生する力を指腹剛性モデルを用いて推定した結果,力と積分筋電位の相関係数が0.74 ± 0.14と高い相関を示したことから,提案法の有効性を確認した.また,健常者とパーキンソン病患者の指タップ運動中の力を推定・比較した結果,両者に有意な差が認められ,指タップ力が運動機能評価の新たな指標として利用できる可能性を明らかにした.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.35.37