レセプト傷病分析の原理とシミュレーションによる妥当性の検証

目的 複数の傷病名が記載され,合計日数や点数は既知だがその傷病ごとの割合は未知なレセプトデータの客観的分析を目的とした傷病マグニチュード按分(Proportional Disease Magnitude, PDM)法の妥当性を検証し精度を向上させる手法を考案する。 方法 傷病ごとの点数が既知のシミュレーションデータを作製し,ある傷病名の記載されたレセプトの単純平均値を重みとして PDM 法を適用し,その分析結果と既知の傷病別点数との相関によって妥当性を評価した。また点数推計の妥当性を高めるための傷病別平均値の補正式を考案・検証した。さらにモンテカルロ法を用いて再現性を評価した。 成績 目的とす...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 50; no. 12; pp. 1135 - 1143
Main Authors 岡本, 悦司, 畑, 栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2003
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.50.12_1135

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Summary:目的 複数の傷病名が記載され,合計日数や点数は既知だがその傷病ごとの割合は未知なレセプトデータの客観的分析を目的とした傷病マグニチュード按分(Proportional Disease Magnitude, PDM)法の妥当性を検証し精度を向上させる手法を考案する。 方法 傷病ごとの点数が既知のシミュレーションデータを作製し,ある傷病名の記載されたレセプトの単純平均値を重みとして PDM 法を適用し,その分析結果と既知の傷病別点数との相関によって妥当性を評価した。また点数推計の妥当性を高めるための傷病別平均値の補正式を考案・検証した。さらにモンテカルロ法を用いて再現性を評価した。 成績 目的とする傷病が記載されたレセプトの日傷病当たり点数はそのままではその傷病の日傷病当たり点数の正確な推計にはならないが,適切な補正により近似が向上し PDM 法の傷病分析の妥当性をきわめて良好にした。 結論 PDM 法は,傷病別平均値を補正して重みとして用いることにより複数傷病を持つレセプトの点数や日数を客観的かつ十分な妥当性をもって傷病分析できることが証明された。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.50.12_1135