精神障害者の地域生活支援におけるクライシス・プランの作成と活用のあり方に関する研究――精神科病院と相談支援事業所のソーシャルワーカーへのインタビュー調査

精神障害者の地域生活支援において医療と福祉が連携したクライシス・プラン(CP)の作成と活用が注目されている.本研究は,精神科病院(病院)と相談支援事業所(事業所)に所属するソーシャルワーカーのCP実践のあり方について半構造化面接により調査した.そして,分析方法はテキストマイニングを用いた.その結果,①CPはストレングスアプローチを基調にし,当事者が希望する地域生活を実現するための目標志向型のケア計画であること.②CP実践の過程には,事前の関係づくりの過程と修正を図っていく過程が存在すること.③医療と福祉が連携したCP実践に向けて,“危機・悪化”の状況では病状や生活状況に応じた医療による対応方法...

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Published in社会福祉学 Vol. 60; no. 1; pp. 47 - 62
Main Authors 三浦, 剛, 狩野, 俊介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本社会福祉学会 31.05.2019
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ISSN0911-0232
2424-2608
DOI10.24469/jssw.60.1_47

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Summary:精神障害者の地域生活支援において医療と福祉が連携したクライシス・プラン(CP)の作成と活用が注目されている.本研究は,精神科病院(病院)と相談支援事業所(事業所)に所属するソーシャルワーカーのCP実践のあり方について半構造化面接により調査した.そして,分析方法はテキストマイニングを用いた.その結果,①CPはストレングスアプローチを基調にし,当事者が希望する地域生活を実現するための目標志向型のケア計画であること.②CP実践の過程には,事前の関係づくりの過程と修正を図っていく過程が存在すること.③医療と福祉が連携したCP実践に向けて,“危機・悪化”の状況では病状や生活状況に応じた医療による対応方法が明示され,“早期・予防”の状況では事業所と病院が協働した具体的な生活支援活動が計画されることが明らかになった.これらを踏まえ,精神障害者の地域生活支援におけるCP実践が展開されることが重要である.
ISSN:0911-0232
2424-2608
DOI:10.24469/jssw.60.1_47