中枢神経系原発リンパ腫アップデート

中枢神経系原発リンパ腫 (PCNSL) は高齢者に多く発生し, 近年増加傾向にあり, 脳腫瘍の4.9%を占める. びまん性大細胞型の組織型が多く, その中ではnon-GCB typeが多い. PCNSLではMYD88とCD79Bの変異の頻度が高く, BCRシグナル伝達経路の活性化が起こっているため, その経路にあるBTK阻害剤のチラブルチニブが再発・難治のPCNSLの治療薬として開発された. 放射線照射後の脳障害の軽減・回避と高齢者に対する治療が課題で, 治療成績の向上には新しい標準治療とされるR-MPV療法の普及や若年患者での末梢血幹細胞移植を伴う大量化学療法, そして再発時の適切な治療選択...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 31; no. 1; pp. 20 - 30
Main Author 山崎, 文之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 01.01.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.31.20

Cover

More Information
Summary:中枢神経系原発リンパ腫 (PCNSL) は高齢者に多く発生し, 近年増加傾向にあり, 脳腫瘍の4.9%を占める. びまん性大細胞型の組織型が多く, その中ではnon-GCB typeが多い. PCNSLではMYD88とCD79Bの変異の頻度が高く, BCRシグナル伝達経路の活性化が起こっているため, その経路にあるBTK阻害剤のチラブルチニブが再発・難治のPCNSLの治療薬として開発された. 放射線照射後の脳障害の軽減・回避と高齢者に対する治療が課題で, 治療成績の向上には新しい標準治療とされるR-MPV療法の普及や若年患者での末梢血幹細胞移植を伴う大量化学療法, そして再発時の適切な治療選択が肝要である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.31.20