早期産・低出生体重児の栄養管理

低出生体重児は、体内栄養蓄積量が少なく容易に栄養学的クライシスに陥る可能性があるのみならず、栄養不良がその後の成長発育や神経学的予後にも影響するため早期からの栄養介入が不可欠である。このような観点から、早期から積極的な栄養投与(early aggressive nutrition)が行われるようになっているが、臓器の未熟性から高血糖や高窒素血症あるいはリフィーディング症候群(refeeding syndrome;以下、RSと略)などの代謝障害を起こす可能性があり厳重なモニタリングが必要となる。また、胎児期~幼小児期の発達環境で胎児に細胞レベルのエピジェネティクス変化が生じ、成人期の肥満、虚血性...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 7 - 10
Main Author 千葉, 正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2019
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.34.7

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Summary:低出生体重児は、体内栄養蓄積量が少なく容易に栄養学的クライシスに陥る可能性があるのみならず、栄養不良がその後の成長発育や神経学的予後にも影響するため早期からの栄養介入が不可欠である。このような観点から、早期から積極的な栄養投与(early aggressive nutrition)が行われるようになっているが、臓器の未熟性から高血糖や高窒素血症あるいはリフィーディング症候群(refeeding syndrome;以下、RSと略)などの代謝障害を起こす可能性があり厳重なモニタリングが必要となる。また、胎児期~幼小児期の発達環境で胎児に細胞レベルのエピジェネティクス変化が生じ、成人期の肥満、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などの慢性疾患リスクにも影響を与えること(developmental origins of health and disease)が知られており、長期にわたりさまざまな注意を要する。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.34.7