看護実習生理解の鍵としての急性ストレス反応と青年期発達課題

実習生の理解のための鍵変数として急性ストレス反応と青年期発達課題の2変数が導入された。実習現場での実習指導者・教員を含めた実習生の心理的状況を本学の実習体制の状況も踏まえて抽出した。その上で,アセスメントにおける2変数の意義とそれを踏まえた対応のポイントが示された。急性ストレス反応は誰にも起こりうる反応である。さらに,ストレス刺激を見失うことが起こり,本人にストレス反応の自覚が生じにくい。したがって,実習生に限らず,実習指導者・教員もストレス状況を振り返る時間・空間が重要である。また,青年期発達課題を踏まえたときに,実習指導者や教員との関係で自立と依存の葛藤を抱きやすい。そのため,実習生は助け...

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Published in健康科学大学紀要 Vol. 15; pp. 47 - 54
Main Author 高田, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 健康科学大学 2019
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Summary:実習生の理解のための鍵変数として急性ストレス反応と青年期発達課題の2変数が導入された。実習現場での実習指導者・教員を含めた実習生の心理的状況を本学の実習体制の状況も踏まえて抽出した。その上で,アセスメントにおける2変数の意義とそれを踏まえた対応のポイントが示された。急性ストレス反応は誰にも起こりうる反応である。さらに,ストレス刺激を見失うことが起こり,本人にストレス反応の自覚が生じにくい。したがって,実習生に限らず,実習指導者・教員もストレス状況を振り返る時間・空間が重要である。また,青年期発達課題を踏まえたときに,実習指導者や教員との関係で自立と依存の葛藤を抱きやすい。そのため,実習生は助けの求めを出すことが難しい。実習指導者・教員が急性ストレス反応をアセスメントの仮説とし,能動的に声かけをしながら仮説を検証していく姿勢が重要である。実習指導者・教員の助けを得ながら,セルフケア能力を身につけていくことが実習生の成長に貢献すると考える。
ISSN:1882-5540
2433-4634
DOI:10.24582/bhsu.15.0_47