多機能OCTを用いたヒト皮膚マイクロバイオメカニクス断層診断システムの構築
加齢や光老化によって真皮上層におけるコラーゲンやエラスチンの組織変性が起因となり,粘弾性力学特性が変化しシワやたるみが発生する.本研究では,多機能OCTを用いたヒト皮膚マイクロバイオメカニクス断層診断システムを構築する.本システムは,ヒト皮膚に荷重負荷する吸引デバイスとOCTによって構成されている.血流によって生じる微小変動に対し,隣接干渉信号から位相差を求める血管網検出に加え,吸引圧による皮膚変形を画像相関解析(OCSA)に基づきひずみ速度分布として算出し,粘弾性力学特性をマイクロ断層可視化することができる.20代被験者の前腕屈側部内側を静置安定し,3次元毛細血管網検出後に,正弦波吸引負荷に...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 88_2 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual60.88_2 |
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Summary: | 加齢や光老化によって真皮上層におけるコラーゲンやエラスチンの組織変性が起因となり,粘弾性力学特性が変化しシワやたるみが発生する.本研究では,多機能OCTを用いたヒト皮膚マイクロバイオメカニクス断層診断システムを構築する.本システムは,ヒト皮膚に荷重負荷する吸引デバイスとOCTによって構成されている.血流によって生じる微小変動に対し,隣接干渉信号から位相差を求める血管網検出に加え,吸引圧による皮膚変形を画像相関解析(OCSA)に基づきひずみ速度分布として算出し,粘弾性力学特性をマイクロ断層可視化することができる.20代被験者の前腕屈側部内側を静置安定し,3次元毛細血管網検出後に,正弦波吸引負荷による動的粘弾性試験を実施した.その結果,表皮層と真皮上層それぞれのひずみ速度の時間推移を比較すると,位相差が発生することを確認でき,真皮上層では位相が遅れることから粘性要素を検出していると考えられる.また,3次元毛細血管網断層とひずみ速度断層像を比較みると毛細血管がある場所では,周辺組織に対しひずみ速度が大きく発生していることが可視化された.これは毛細血管が弾性的であることからひずみ速度が大きくなると考えられた.これより,毛細血管とひずみ速度の相関関係を考察することが可能であると考えられる.よって,皮膚内部の力学特性をマイクロスケールにて断層可視化でき,スキンメカニクスの評価可能であることが示唆された. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual60.88_2 |