介護老人福祉施設に勤務する介護職員のワーク・ライフ・バランスの現状および構成要素
介護老人福祉施設の介護職員のワーク・ライフ・バランス(以下,WLB)の現状および構成要素を明らかにすることを目的とした.全国の介護老人福祉施設を無作為に1,000カ所抽出したのち,施設の介護職員を対象に,自記式調査質問紙を用いた郵送調査を行った(回収率32.1%).介護職員の自身のWLBに対する回答は,「まったく満足していない」と「あまり満足していない」の合計が42.8%,「やや満足している」と「非常に満足している」の合計が38.1%であった.また,介護職員のWLBの構成要素を明らかにするために,探索的因子分析を行った結果,ワークとライフの側面を捉えた4因子が抽出された.さらに確証的因子分析を...
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Published in | 社会福祉学 Vol. 58; no. 3; pp. 27 - 40 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本社会福祉学会
30.11.2017
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Subjects | |
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ISSN | 0911-0232 2424-2608 |
DOI | 10.24469/jssw.58.3_27 |
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Summary: | 介護老人福祉施設の介護職員のワーク・ライフ・バランス(以下,WLB)の現状および構成要素を明らかにすることを目的とした.全国の介護老人福祉施設を無作為に1,000カ所抽出したのち,施設の介護職員を対象に,自記式調査質問紙を用いた郵送調査を行った(回収率32.1%).介護職員の自身のWLBに対する回答は,「まったく満足していない」と「あまり満足していない」の合計が42.8%,「やや満足している」と「非常に満足している」の合計が38.1%であった.また,介護職員のWLBの構成要素を明らかにするために,探索的因子分析を行った結果,ワークとライフの側面を捉えた4因子が抽出された.さらに確証的因子分析を行った結果,適合度(GFI=.936, AGFI=.909, CFI=.974, RMSEA=.053)も良好であった.抽出された因子ごとに,Cronbachのα係数を算出した結果,すべての因子において,0.80以上を示し,一定の信頼性が確認された.介護職員は,自身のWLBに満足している群と満足していない群が同程度存在している可能性が示唆された.また,介護職員のWLBは,ワークとライフの多様な側面により構成されており,これらの側面を総合的かつ多角的に捉えていくことが重要である. |
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ISSN: | 0911-0232 2424-2608 |
DOI: | 10.24469/jssw.58.3_27 |