新たに介護職に入職しようとする人々が有する就労動機――介護職員初任者研修におけるアンケート調査分析

介護サービスの市場化などにより,介護従事者を取り巻く環境は大きく変容している.このような変化は介護人材の就労意識にも少なからず影響を及ぼしていることが考えられる.本研究では,新たに介護職に入職しようとする人々に着目するとともに,彼らがどのような就労動機(内発的動機/経済的動機)を重視しているのかについて明らかにすることを試みる.本研究では,介護労働に関する資格制度の入り口に位置づけられる介護職員初任者研修に着目し,その受講者に対してアンケート調査を実施した.本調査では,回答者の基本属性に加え,就労意識や受講目的などについて質問を行った.そして本回答結果について統計的分析を実施した.分析の結果,...

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Published in社会福祉学 Vol. 61; no. 4; pp. 87 - 99
Main Author 坪井, 良史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本社会福祉学会 28.02.2021
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ISSN0911-0232
2424-2608
DOI10.24469/jssw.61.4_87

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Summary:介護サービスの市場化などにより,介護従事者を取り巻く環境は大きく変容している.このような変化は介護人材の就労意識にも少なからず影響を及ぼしていることが考えられる.本研究では,新たに介護職に入職しようとする人々に着目するとともに,彼らがどのような就労動機(内発的動機/経済的動機)を重視しているのかについて明らかにすることを試みる.本研究では,介護労働に関する資格制度の入り口に位置づけられる介護職員初任者研修に着目し,その受講者に対してアンケート調査を実施した.本調査では,回答者の基本属性に加え,就労意識や受講目的などについて質問を行った.そして本回答結果について統計的分析を実施した.分析の結果,やりがいを重視する回答者と生計維持を重視する回答者は同程度となった.また「若年および中年層:生計維持重視」,「若年層:やりがい重視」,「高年層:やりがい重視」の三つの受講者像が明らかとなった.
ISSN:0911-0232
2424-2608
DOI:10.24469/jssw.61.4_87