卵巣がんスフェロイド細胞を用いた抗がん剤奏効性の解析

本研究は、卵巣がん腹水から作製した患者由来スフェロイドパネルを確立し、卵巣がんの化学療法耐性メカニズムを明らかにすることを目的として行われた。プラチナ系化合物を使用した体系的評価により、スフェロイド間において感受性の違いが確認された。遺伝子発現プロファイリングと化学療法耐性データを組み合わせた統合解析により、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)およびグルタチオン産生酵素がシスプラチン耐性に寄与することが明らかとなった。これらの研究は、患者由来細胞モデルを用いた統合的解析アプローチが、がんの薬物耐性の分子基盤を明らかにするのに有効であることを示唆するものである。...

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Bibliographic Details
Published inDrug Delivery System Vol. 39; no. 3; pp. 165 - 173
Main Authors 岡本, 康司, 山脇, 芳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.07.2024
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ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.39.165

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Summary:本研究は、卵巣がん腹水から作製した患者由来スフェロイドパネルを確立し、卵巣がんの化学療法耐性メカニズムを明らかにすることを目的として行われた。プラチナ系化合物を使用した体系的評価により、スフェロイド間において感受性の違いが確認された。遺伝子発現プロファイリングと化学療法耐性データを組み合わせた統合解析により、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)およびグルタチオン産生酵素がシスプラチン耐性に寄与することが明らかとなった。これらの研究は、患者由来細胞モデルを用いた統合的解析アプローチが、がんの薬物耐性の分子基盤を明らかにするのに有効であることを示唆するものである。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.39.165