長期人工呼吸器装着患者の機能回復に関する検討
本研究の目的は,長期人工呼吸器装着患者における機能回復の推移を明らかにすることである.対象は長期人工呼吸器管理患者10例(64±10歳)である.これらにリハビリテーション(以下,リハ)を実施し,下肢筋力と移動能力の回復を調査した.開始時の下肢筋力(中央値)は,0.20 kgf/kgと顕著な低下を認め,全例立位・室内伝い歩きレベルであった.開始4週時,最終時の下肢筋力は,順に0.31,0.40 kgf/kgと有意な増加を認め(χ2=20.0,p<0.05),移動能力も経過とともに良好な改善を認めた(χ2=30.6,p<0.05).しかし,大部分の症例において下肢筋力は,良好な回復を認めたものの健...
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Published in | 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 47 - 52 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
30.06.2011
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Subjects | |
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ISSN | 1881-7319 2189-4760 |
DOI | 10.15032/jsrcr.21.1_47 |
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Summary: | 本研究の目的は,長期人工呼吸器装着患者における機能回復の推移を明らかにすることである.対象は長期人工呼吸器管理患者10例(64±10歳)である.これらにリハビリテーション(以下,リハ)を実施し,下肢筋力と移動能力の回復を調査した.開始時の下肢筋力(中央値)は,0.20 kgf/kgと顕著な低下を認め,全例立位・室内伝い歩きレベルであった.開始4週時,最終時の下肢筋力は,順に0.31,0.40 kgf/kgと有意な増加を認め(χ2=20.0,p<0.05),移動能力も経過とともに良好な改善を認めた(χ2=30.6,p<0.05).しかし,大部分の症例において下肢筋力は,良好な回復を認めたものの健常平均値までの回復は得られず,また,病前移動能力への回復が困難な症例が存在していた.以上のことから長期人工呼吸器装着患者のリハにおける機能回復の推移が明らかとなるとともに,運動機能やADLの低下予防,ならびに低下した機能を早期に回復するためのさらなる方策の必要性が示唆された. |
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ISSN: | 1881-7319 2189-4760 |
DOI: | 10.15032/jsrcr.21.1_47 |