地域住民と連携・協働して社会資源を開発したソーシャルワーカーのプロフェッショナルコンピテンスモデル――社会福祉協議会・地域包括支援センターへの量的調査から

本研究の目的は,地域住民との連携・協働により社会資源を開発したソーシャルワーカーのプロフェッショナルコンピテンスモデルを明らかにすることである.全国市区町村の社会福祉協議会または地域包括支援センター1,000カ所に在籍するソーシャルワーカーにアンケート調査を実施し,400名の回答を分析の対象とした.社会資源の開発者の能力について因子分析を実施した結果,地域支援実践行動コンピテンシーとして「遂行・合意形成型コミュニケーション」,「つながりと主体性の促進」,「俯瞰的見立て・調整」が,内面特性コンピテンシーとして「使命感・変革志向」が抽出され,合意形成力と同時に見立て・遂行力が発揮されていた.また,...

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Published in社会福祉学 Vol. 65; no. 2; pp. 59 - 72
Main Author 鈴木, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本社会福祉学会 30.09.2024
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ISSN0911-0232
2424-2608
DOI10.24469/jssw.65.2_59

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Summary:本研究の目的は,地域住民との連携・協働により社会資源を開発したソーシャルワーカーのプロフェッショナルコンピテンスモデルを明らかにすることである.全国市区町村の社会福祉協議会または地域包括支援センター1,000カ所に在籍するソーシャルワーカーにアンケート調査を実施し,400名の回答を分析の対象とした.社会資源の開発者の能力について因子分析を実施した結果,地域支援実践行動コンピテンシーとして「遂行・合意形成型コミュニケーション」,「つながりと主体性の促進」,「俯瞰的見立て・調整」が,内面特性コンピテンシーとして「使命感・変革志向」が抽出され,合意形成力と同時に見立て・遂行力が発揮されていた.また,共分散構造分析の結果,「使命感・変革志向」が「地域支援実践行動」に影響しており,地域支援実践経験の期間の長短を問わず,固有の内面特性や実践行動の発揮が,社会資源の開発に影響するというモデルが構築された.
ISSN:0911-0232
2424-2608
DOI:10.24469/jssw.65.2_59