人工股関節全置換術を実施した高齢患者の 術前に抱いた期待が実現された 生活にいたるまでの体験プロセス

人工股関節全置換術を実施した高齢患者の期待が実現された生活にいたるまでの体験プロセスを明らかにすることを目的とした.研究デザインとしてCharmazの構成主義的グラウンデッドセオリーを採用した.参加者は変形性股関節症に対する初回手術の後6か月から1年が経った60歳以上の女性3名で,半構造的面接を行い,逐語録を作成,データ分析の後カテゴリー図を作成した.結果として,参加者は手術に期待をしすぎず,元の生活に戻りたいと期待していた.その期待は,医師を信頼してリハビリを継続し,生活に折り合いをつけることによって実現されていた.一方で,同時に不安も抱えているという多面性のある生活をしていた.これらの結果...

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Published in日本運動器看護学会誌 Vol. 14; pp. 28 - 35
Main Authors 深堀, 浩樹, 保科, ゆい子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動器看護学会 2019
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ISSN2186-635X
2435-001X
DOI10.34324/jsmn.14.0_28

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Summary:人工股関節全置換術を実施した高齢患者の期待が実現された生活にいたるまでの体験プロセスを明らかにすることを目的とした.研究デザインとしてCharmazの構成主義的グラウンデッドセオリーを採用した.参加者は変形性股関節症に対する初回手術の後6か月から1年が経った60歳以上の女性3名で,半構造的面接を行い,逐語録を作成,データ分析の後カテゴリー図を作成した.結果として,参加者は手術に期待をしすぎず,元の生活に戻りたいと期待していた.その期待は,医師を信頼してリハビリを継続し,生活に折り合いをつけることによって実現されていた.一方で,同時に不安も抱えているという多面性のある生活をしていた.これらの結果から,看護師の支援について,実現可能な期待を持つことを促す支援と,リハビリの理解を深め患者が折り合いをつけられるような具体的情報の提供をすることで,期待の実現につながることが示唆された.また,患者個々の不安や心配事に対応できるような支援の重要性も示唆された.
ISSN:2186-635X
2435-001X
DOI:10.34324/jsmn.14.0_28