乳幼児胃食道逆流と無呼吸発作の関連 食道インピーダンスpHモニタリングを用いた検討

【目的】胃食道逆流現象(GER)と無呼吸発作との関連性は未だ不明である.24時間食道インピーダンスpHモニタリング(以下MII-pH)を用いて,GERと無呼吸の関連性を検討した.【方法】2017年8月から2021年11月の間に行ったMII-pHのうち,異常なGERがあると判定された患者で,無呼吸・SpO2低下とGERが関連ある患者を無呼吸群(11例)とした.無呼吸群以外の患者のうち無呼吸群と同じ範囲の体重の患者を抽出して対照群(18例)とし,両群を比較した.【結果】無呼吸群の検査時体重は中央値3,420 g(四分位範囲2,787.0~5,727.5 g)であった.両群の検査時の日齢や修正日齢,...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 60; no. 6; pp. 909 - 915
Main Authors 渡邊, 日向子, 今治, 玲助, 納所, 洋, 尾山, 貴徳, 住田, 桃子, 向井, 亘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.10.2024
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.60.6_909

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Summary:【目的】胃食道逆流現象(GER)と無呼吸発作との関連性は未だ不明である.24時間食道インピーダンスpHモニタリング(以下MII-pH)を用いて,GERと無呼吸の関連性を検討した.【方法】2017年8月から2021年11月の間に行ったMII-pHのうち,異常なGERがあると判定された患者で,無呼吸・SpO2低下とGERが関連ある患者を無呼吸群(11例)とした.無呼吸群以外の患者のうち無呼吸群と同じ範囲の体重の患者を抽出して対照群(18例)とし,両群を比較した.【結果】無呼吸群の検査時体重は中央値3,420 g(四分位範囲2,787.0~5,727.5 g)であった.両群の検査時の日齢や修正日齢,出生時体重,在胎週数に有意差はなく背景因子は同等であった.上部消化管造影検査による胃の形態評価も両群同等であった.MII-pHのパラメータは,Reflux indexは無呼吸群6.1%,対照群14.4%で無呼吸群は低い傾向があった.液体逆流回数は無呼吸群(115回)が対照群(95回)より有意に多く,その内訳は酸逆流が両群とも約30回であったのに対して非酸逆流は無呼吸群94回,対照群66回で無呼吸群が多い傾向にあった.液体逆流回数が基準値を超えた症例数は,無呼吸群が10例(90.9%),対照群が11例(61.1%)であった.液体逆流時間率も無呼吸群が有意に高かった.近位逆流の回数やその他のパラメータに有意差はなかった.嘔気・嘔吐は両群ともに同等の回数を認め,無呼吸と関連なかった.【結論】無呼吸は非酸逆流との関連が示唆された.未熟性や胃の形態とは関連がなく,嘔気や嘔吐とも関連がなかった.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.60.6_909