深層画像生成技術を用いたFDG-PET/CT像異常検知による病変強調

【目的】局所糖代謝を示すFDG-PET像(以下PET像)はがんなど病変局所が高輝度で表れるため病変スクリーニング等に有用であるが、高代謝組織等も同様に強調され、誤診断の要因となる。本研究では、深層画像生成をPET像局所異常検知に応用した肺野内病変強調法を提案する。【手法】提案法は、CT像から深層画像生成で推定した病変を含まないPET像を推定し、CT像と同時撮像の実PET像と推定像の差分により病変強調を行うものである。画像推定深層ネットワークは病変によるPET像の輝度値上昇を含まない正常肺野PET/CT像40例のAxialスライスのみ用いて学習される。病変による輝度値上昇を含まない推定PET像が...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 83_2
Main Authors 山田, 誉大, 山口, 明乃, 永岡, 隆, 甲斐田, 勇人, 瀬川, 新, 北島, 一宏, 木村, 裕一, 石井, 一成, 根本, 充貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.83_2

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Summary:【目的】局所糖代謝を示すFDG-PET像(以下PET像)はがんなど病変局所が高輝度で表れるため病変スクリーニング等に有用であるが、高代謝組織等も同様に強調され、誤診断の要因となる。本研究では、深層画像生成をPET像局所異常検知に応用した肺野内病変強調法を提案する。【手法】提案法は、CT像から深層画像生成で推定した病変を含まないPET像を推定し、CT像と同時撮像の実PET像と推定像の差分により病変強調を行うものである。画像推定深層ネットワークは病変によるPET像の輝度値上昇を含まない正常肺野PET/CT像40例のAxialスライスのみ用いて学習される。病変による輝度値上昇を含まない推定PET像が推定されるため、画像差分により病変強調がなされると期待する。提案法では肺野内の画像変換を効率的に学習するため、病変強調および学習の前処理として肺野領域の自動抽出と肺野外画像パターン除去を行う。提案法の定量評価には、病変とその周辺の画素値統計量から算出されるSNRを用いる。【結果考察】肺野12病変を含む有病PET/CT像12例を用い提案法の評価実験を行ったところ、提案法による強調像上の病変SNRは平均5.70であった。実PET像のSNR平均より0.68の向上を確認し、強調像と実PET像のSNRに対するWilcoxon符号順位検定から2群間の有意差がみられたことから提案法の有用性を確認した。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.83_2