鶏の実験的Salmonella Typhimurium感染症におけるアミカシンの治療効果

Salmonella Typhimuriumに対するアミカシンの抗菌作用を, アミカシンの薬物動態パラメーターと最小発育阻止濃度(MIC)を使って調べた. 鶏へのアミカシン筋肉内投与後の薬物動態パラメーターを蛍光偏光免疫測定法によって求めた. 蛋白結合型アミカシンは認めなかったので, 総濃度と遊離型濃度を同じとして取り扱った. 細菌を鶏の筋肉内に接種後, 以下のような筋肉内投与計画で抗菌効果を調べた. すなわち, 硫酸アミカシン20mg/kgを9時間毎に72時間投与, 20mg/kgを18時間毎に72時間投与, 20mg/kgを36時間毎に72時間投与, 10mg/kgを12時間毎に72時間投...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 58; no. 5; pp. 425 - 429
Main Authors 伊東, 登, 平棟, 孝志, 菊池, 直哉
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1996
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.58.425

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Summary:Salmonella Typhimuriumに対するアミカシンの抗菌作用を, アミカシンの薬物動態パラメーターと最小発育阻止濃度(MIC)を使って調べた. 鶏へのアミカシン筋肉内投与後の薬物動態パラメーターを蛍光偏光免疫測定法によって求めた. 蛋白結合型アミカシンは認めなかったので, 総濃度と遊離型濃度を同じとして取り扱った. 細菌を鶏の筋肉内に接種後, 以下のような筋肉内投与計画で抗菌効果を調べた. すなわち, 硫酸アミカシン20mg/kgを9時間毎に72時間投与, 20mg/kgを18時間毎に72時間投与, 20mg/kgを36時間毎に72時間投与, 10mg/kgを12時間毎に72時間投与, そして対照(アミカシン投与せず)である. 実験終了後各々の鶏の各種腹部臓器を採取した. 臓器を培養して, 増殖した細菌コロニー数を計測した. その結果, アミカシン投与群の間では, コロニー数に有意差はなかったが, 対照群はアミカシン投与群に比較して有意にコロニー数が増加していた. このことから, 細菌のMICを越える時間が投与間隔の少なくとも1/4以上あれば細菌感染に対して効果があり, 最高血中濃度は, MICを越える血中濃度が維持される時間が同じである限り抗生物質効果に影響しないということが示唆された.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.58.425