スーパー抗原のブドウ球菌性エンテロトキシン及び毒素性ショック症候群毒素によって誘起されたウシ末梢血単核球の増殖反応及びサイトカイン産生
ウシ末梢血単核球(PBMC)に対するブドウ球菌性エンテロトキシンA(SEA), B(SEB), C(SEC)及び毒素性ショック症候群毒素(TSST-1)の多クローン性T細胞増殖及びサイトカイン産生によるスーパー抗原活性を調べた. これらの4毒素は子牛のPBMCに対し試験管内で 1pg~1μg/mlの広い濃度域で強い増殖反応を誘起した. これらの毒素により活性化した幼弱細胞はCD4+T細胞及びCD8+T細胞から成っていたが, このT細胞増殖は単球の存在を必要とした. 単球を抗主要組織適合性遺伝子座クラスII抗原に対する単クローン性抗体で処理すると本毒素によるT細胞増殖反応を顕著に抑制したが, パ...
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Published in | Journal of Veterinary Medical Science Vol. 57; no. 2; pp. 299 - 305 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
公益社団法人 日本獣医学会
1995
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Summary: | ウシ末梢血単核球(PBMC)に対するブドウ球菌性エンテロトキシンA(SEA), B(SEB), C(SEC)及び毒素性ショック症候群毒素(TSST-1)の多クローン性T細胞増殖及びサイトカイン産生によるスーパー抗原活性を調べた. これらの4毒素は子牛のPBMCに対し試験管内で 1pg~1μg/mlの広い濃度域で強い増殖反応を誘起した. これらの毒素により活性化した幼弱細胞はCD4+T細胞及びCD8+T細胞から成っていたが, このT細胞増殖は単球の存在を必要とした. 単球を抗主要組織適合性遺伝子座クラスII抗原に対する単クローン性抗体で処理すると本毒素によるT細胞増殖反応を顕著に抑制したが, パラホルムアルデヒド処理では本アクセサリー機能を失活させなかった. SEA, SEB, SEC及びTSST-1は濃度依存性に試験管内でインターロイキン2, インターフェロンγ及び腫瘍壊死因子αの産生を誘起した. 以上の成績からSEA, SEB, SEC及びTSST-1はヒトやマウスの系と同様にスーパー抗原としてウシのT細胞を刺激することが示された. 黄色ブドウ球菌感染によるウシ乳房炎の免疫病理発生におけるこれらの毒素の役割について考察した. |
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ISSN: | 0916-7250 1347-7439 |
DOI: | 10.1292/jvms.57.299 |