漢方薬の経口投与は糖尿病モデルマウスにおける進行性難聴を抑制する

「はじめに:」近年, 糖尿病患者数は増加傾向にあり, さまざまな疾患の原因となっている. 糖尿病の合併症としての聴覚障害はJordaoによって最初に報告された. さらに, その後の多くの疫学的研究により, 糖尿病患者において難聴者の頻度が高いことが報告されている. われわれは以前, 2型糖尿病を伴うメタボリックシンドロームのモデルマウスが進行性難聴を示し, 内耳の血管が狭小化していることを報告した. しかしながら, 糖尿病モデルマウスにおいて難聴を予防する方法は明らかにされていなかった. 本研究では, 糖尿病の血管障害に効果があると考えられる漢方製剤を投与することにより, 難聴の進行を予防でき...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 124; no. 2; pp. 159 - 160
Main Authors 廣瀬, 敬信, 樽本, 俊介, 津田, 潤子, 竹本, 洋介, 菅原, 一真, 堀, 健志, 山下, 裕司, 橋本, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.02.2021
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.124.159

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Summary:「はじめに:」近年, 糖尿病患者数は増加傾向にあり, さまざまな疾患の原因となっている. 糖尿病の合併症としての聴覚障害はJordaoによって最初に報告された. さらに, その後の多くの疫学的研究により, 糖尿病患者において難聴者の頻度が高いことが報告されている. われわれは以前, 2型糖尿病を伴うメタボリックシンドロームのモデルマウスが進行性難聴を示し, 内耳の血管が狭小化していることを報告した. しかしながら, 糖尿病モデルマウスにおいて難聴を予防する方法は明らかにされていなかった. 本研究では, 糖尿病の血管障害に効果があると考えられる漢方製剤を投与することにより, 難聴の進行を予防できるかどうかを検討した. 「実験材料と方法:」2型糖尿病の自発モデルであるツムラスズキ肥満糖尿病(TSOD)マウスをこの研究に使用した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.124.159