家族のニーズ : 外傷性脳損傷患者と一緒に暮らす英国家族の見解

外傷性脳損傷患者は様々な症状を呈することから社会復帰の難しさが問題となっている。患者および家族に対するサポート体制が十分に整っていない日本では長期にわたる介護や世話は家族が負担する場合が多い。今回, より多くのサービスや社会資源が存在するといわれる英国において外傷性脳損傷患者の家族に質問票を用いて対面聞き取り調査を行った。質問票は入院直後から家庭生活におけるまで家族が必要とするサービス, サポートなど14項目からなり, それぞれが重要であるかどうかを検討した。また脳卒中患者の家族に同質問票を用いて調査し家族のニーズを比較した。外傷性脳損傷のグループでは脳損傷が患者に及ぼす影響についての情報をも...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 3; pp. 180 - 187
Main Author 渡辺, 百合子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1999
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.36.180

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Summary:外傷性脳損傷患者は様々な症状を呈することから社会復帰の難しさが問題となっている。患者および家族に対するサポート体制が十分に整っていない日本では長期にわたる介護や世話は家族が負担する場合が多い。今回, より多くのサービスや社会資源が存在するといわれる英国において外傷性脳損傷患者の家族に質問票を用いて対面聞き取り調査を行った。質問票は入院直後から家庭生活におけるまで家族が必要とするサービス, サポートなど14項目からなり, それぞれが重要であるかどうかを検討した。また脳卒中患者の家族に同質問票を用いて調査し家族のニーズを比較した。外傷性脳損傷のグループでは脳損傷が患者に及ぼす影響についての情報をもっとも重要とする傾向がみられたのに対し, 脳卒中グループでは自宅における介護機器やケアーサービスを重要とする傾向がみられた。脳損傷患者の家族へのサービスとして適切で詳細な情報提供が必須であると思われた。
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.36.180