色情報に注目した上部消化管内視鏡による異常部位検出システムのための研究

(はじめに)これまで内視鏡診断医による診断は偽陰性が22.2%という報告があり、肉眼による診断だけに頼るには限界がある。これには診断件数が多いことで、経験を積んだ診断にだけでは足りないことや量的負担も多いことが原因と考えられている。(目的)膨大な内視鏡診断の件数は膨大であり、機械の補助が得られれば偽陰性も減らすことができると考える。既に心電図診断では機会診断が補助的診断として普及している。このような仕組を提案することを目標とする。(方法)内視鏡画像はRGB表示で提供されているが、明暗により色が違って見えるので、HSV表示に変換しH(色相)、S(彩度)、V(明度)の3要素で表せば、色情報は光の波...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in生体医工学 Vol. Annual56; no. Abstract; p. S378
Main Authors 長倉, 俊明, 森田, 知憲, 木戸, 倫子, 石井, 豊恵, 山田, 憲嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:(はじめに)これまで内視鏡診断医による診断は偽陰性が22.2%という報告があり、肉眼による診断だけに頼るには限界がある。これには診断件数が多いことで、経験を積んだ診断にだけでは足りないことや量的負担も多いことが原因と考えられている。(目的)膨大な内視鏡診断の件数は膨大であり、機械の補助が得られれば偽陰性も減らすことができると考える。既に心電図診断では機会診断が補助的診断として普及している。このような仕組を提案することを目標とする。(方法)内視鏡画像はRGB表示で提供されているが、明暗により色が違って見えるので、HSV表示に変換しH(色相)、S(彩度)、V(明度)の3要素で表せば、色情報は光の波長に依存するので、組織からの反射を反映している。これにより検出誤りを減らし、病変の診断を試みた。(結果)色相範囲を詳細に決定すれば、正常粘膜の赤と出血などを区別ができる、同様に彩度、明度の範囲を決めることで赤色病変検出精度向上だけでなく、潰瘍の白色検出が可能となった。この治験により赤色と白色の同時検出が可能となった。また彩度も微調整することで白苔の検出精度が変化した。(結論)HSVによる画像を、これまでの研究成果以上に微調整することで、診断精度を向上させるだけではなく、診断が可能な疾患も増やすことができた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S378