そば主要蛋白質のポリペプチド構成とアミノ酸組成における異質性

脱脂そば粉からアルブミン, グロブリン, プロラミンおよびグルテリンをそれぞれ個別に分画し, それらのSDS-PAGE分析によるポリペプチド構成ならびにアミノ酸組成を比較検討した. アルブミンとグロブリン画分ではSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に際して試料用SDS緩衝液中での加熱時間の長短 (3, 15, 30分) などにより得られるポリベチドのパターンが変化したが, 分子量25kDaと32kDaが主なポリペプチド種であった.アミノ酸組成では, 水抽出と5%食塩水抽出のものでは含硫アミノ酸とプロリン含量に有意な差がみられた外は大差はなかった.各プロラミン画分は抽出に用いたアルコール (7...

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Published in日本家政学会誌 Vol. 46; no. 8; pp. 731 - 738
Main Authors 真鍋, 裕之, 西田, 珠美, 宅見, 賢二, 古賀, 哲郎, 宇高, 順子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本家政学会 1995
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ISSN0913-5227
1882-0352
DOI10.11428/jhej1987.46.731

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Summary:脱脂そば粉からアルブミン, グロブリン, プロラミンおよびグルテリンをそれぞれ個別に分画し, それらのSDS-PAGE分析によるポリペプチド構成ならびにアミノ酸組成を比較検討した. アルブミンとグロブリン画分ではSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に際して試料用SDS緩衝液中での加熱時間の長短 (3, 15, 30分) などにより得られるポリベチドのパターンが変化したが, 分子量25kDaと32kDaが主なポリペプチド種であった.アミノ酸組成では, 水抽出と5%食塩水抽出のものでは含硫アミノ酸とプロリン含量に有意な差がみられた外は大差はなかった.各プロラミン画分は抽出に用いたアルコール (70%エタノール, 50%プロパノールとイソプロパノール, および70%タートブタノール) に関係なく, ほぼ等質なSDS-PAGEパターン (30-40kDaの分子量範囲に分布する多数のポリペプチド) を示した.これらのアミノ酸組成は上記のアルブミンやグロブリンとは異なりグルタミン酸とプロリンに富み, リジンが少なかった.アルカリ可溶性グルテリンのポリペプチド分子量は他の蛋白質の2倍に近い値 (80-100kDa) を有し, アミノ酸組成はグロブリンとプロリンの中間値を示した.
ISSN:0913-5227
1882-0352
DOI:10.11428/jhej1987.46.731