パラコート中毒処置のための経口吸着剤に関する研究

パラコート中毒の初期治療を目的として, 除去率, 除去速度の観点から, 生理食塩水中における経口吸着剤の評価を行なった。 40種の吸着剤をパラコート吸着剤として使用した。パラコート除去率の最も大きな吸着剤は陽イオン交換樹脂であったが, 石油ピッチ由来の活性炭も同程度の高いパラコート除去率を示した。陽イオン交換樹脂の架橋度とパラコート除去率の間には有意な正相関が認められた。 吸着速度に関して, 吸着時間に伴なうパラコート濃度は, 陽イオン交換樹脂の場合, 急激に減少した。一次反応速度式より求めた反応速度定数と樹脂の架橋度との間には, 有意な負相関が認められた。...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 959 - 964
Main Authors 三好, 保, 棚田, 成紀, 中村, 武夫, 北小路, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 1989
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.37.959

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Summary:パラコート中毒の初期治療を目的として, 除去率, 除去速度の観点から, 生理食塩水中における経口吸着剤の評価を行なった。 40種の吸着剤をパラコート吸着剤として使用した。パラコート除去率の最も大きな吸着剤は陽イオン交換樹脂であったが, 石油ピッチ由来の活性炭も同程度の高いパラコート除去率を示した。陽イオン交換樹脂の架橋度とパラコート除去率の間には有意な正相関が認められた。 吸着速度に関して, 吸着時間に伴なうパラコート濃度は, 陽イオン交換樹脂の場合, 急激に減少した。一次反応速度式より求めた反応速度定数と樹脂の架橋度との間には, 有意な負相関が認められた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.37.959