マウスの実験的緑膿菌感染における蛋白分解酵素の影響(短報)

緑膿菌のエラスターゼとアルカリ性プロテアーゼの局所あるいは全身感染における影響を調べた. 緑膿菌PA103株を筋肉内に接種したマウスの同じ部位にエラスターゼを投与することにより, 菌は効果的に接種局所に定着した. その後, 菌は全身感染の指標とした肝臓で増殖した. 一方, アルカリ性プロテアーゼではこのような作用はなかった. 以上の成績は, エラスターゼが本菌の病原性発現に重要な役割を演ずることを示している....

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 54; no. 3; pp. 597 - 599
Main Authors 田村, 豊, 鈴木, 祥子, 木島, まゆみ, 高橋, 敏雄, 中村, 政幸
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1992
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Summary:緑膿菌のエラスターゼとアルカリ性プロテアーゼの局所あるいは全身感染における影響を調べた. 緑膿菌PA103株を筋肉内に接種したマウスの同じ部位にエラスターゼを投与することにより, 菌は効果的に接種局所に定着した. その後, 菌は全身感染の指標とした肝臓で増殖した. 一方, アルカリ性プロテアーゼではこのような作用はなかった. 以上の成績は, エラスターゼが本菌の病原性発現に重要な役割を演ずることを示している.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.54.597