対流セルの形状に影響を与える物理過程に関する数値的研究

2次元非線型の数値モデルにより,セル状対流の偏平度に対する渦拡散の非等方性,大規模下降流,潜熱の放出の効果などを調べた。これらの物理過程はセルのaspect ratio(水平と高さの比)を通常の積雲の値から,1よりかなり大きなメソスケールのセル状対流に対応するような値へと増大させることが示される。潜熱の放出がないdry modelの場合には,古典的なビジネスク対流に対する室内実験や線型数値モデルで得られている結果とよく一致する。 最も実現しやすいaspect ratioは,線型論から予測されたものよりも,渦拡散の非等方性の度合に対する平方根の関係(Priestley)をもっとよく表現することも...

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Published in気象集誌. 第2輯 Vol. 58; no. 6; pp. 489 - 499
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本気象学会 1980
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Summary:2次元非線型の数値モデルにより,セル状対流の偏平度に対する渦拡散の非等方性,大規模下降流,潜熱の放出の効果などを調べた。これらの物理過程はセルのaspect ratio(水平と高さの比)を通常の積雲の値から,1よりかなり大きなメソスケールのセル状対流に対応するような値へと増大させることが示される。潜熱の放出がないdry modelの場合には,古典的なビジネスク対流に対する室内実験や線型数値モデルで得られている結果とよく一致する。 最も実現しやすいaspect ratioは,線型論から予測されたものよりも,渦拡散の非等方性の度合に対する平方根の関係(Priestley)をもっとよく表現することも示される。
ISSN:0026-1165
2186-9057
DOI:10.2151/jmsj1965.58.6_489