救急外来の聴診器の汚染度 膜型面とイヤピースを除菌・洗浄用クロスで拭おう
目的:聴診器の膜型面とイヤピースの細菌汚染は院内感染の原因の一つである。救急外来の聴診器の汚染度を調査した。方法:聴診器の膜型面と片側のイヤピースの汚染度を,ルミテスターを用いてATP拭き取り法で測定した。次に除菌・洗浄用クロスを用いて10秒間聴診器の膜型面とイヤピースを拭き,5分乾かした後に測定した。結果は中央値で表しWilcoxon符号付順位和検定を用いて,p<0.05を有意差ありとした。また,膜型面とイヤピースの細菌培養検査を行った。結果:聴診器13個の膜型面の汚染度は拭き取り前後で2,216 RLU,273 RLU であった。一方,イヤピースは前後で22,516 RLU,130 ...
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Published in | 日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 27; no. 4; pp. 494 - 498 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床救急医学会
31.08.2024
日本臨床救急医学会 |
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Summary: | 目的:聴診器の膜型面とイヤピースの細菌汚染は院内感染の原因の一つである。救急外来の聴診器の汚染度を調査した。方法:聴診器の膜型面と片側のイヤピースの汚染度を,ルミテスターを用いてATP拭き取り法で測定した。次に除菌・洗浄用クロスを用いて10秒間聴診器の膜型面とイヤピースを拭き,5分乾かした後に測定した。結果は中央値で表しWilcoxon符号付順位和検定を用いて,p<0.05を有意差ありとした。また,膜型面とイヤピースの細菌培養検査を行った。結果:聴診器13個の膜型面の汚染度は拭き取り前後で2,216 RLU,273 RLU であった。一方,イヤピースは前後で22,516 RLU,130 RLU であった。拭き取り後は有意に減少して,拭き取り前と有意差がなかった。細菌培養検査では常在菌を検出した。考察:救急外来の聴診器には細菌による汚染があった。クロスで10秒間拭き取ることにより80%以上の減少効果があった。結論:救急外来にある聴診器は膜部分とイヤピースを使用前後にクロスなどで拭う必要がある。 |
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ISSN: | 1345-0581 2187-9001 |
DOI: | 10.11240/jsem.27.494 |