遠隔画像伝送システムへのクラウド心電図機能の統合 地域中核病院参画による遠隔地への不要な搬送の回避

大分県では2017年4月17日より,大分県遠隔画像伝送システムへの機能追加の形でクラウド型12誘導心電図伝送システムの運用を開始した。各消防本部に1台ずつのクラウド心電計を配置し,伝送には,既存のタブレット端末および回線を利用した。このシステムでは5地域中核病院を含む18施設が参加し,大分県の広い範囲を網羅している。運用開始から 2018年3月12日までに,111件(男性71例・女性40例:平均年齢75.6±12.7歳)の心電図伝送を行った。搬送先は,救命救急センター36例,PCI施設36例,地域中核病院32例で,そのほか7例あった。緊急心臓カテーテルが行われた22例(19.8%)の72.7%...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 22; no. 5; pp. 671 - 679
Main Authors 齋藤, 聖多郎, 油布, 邦夫, 竹中, 隆一, 髙橋, 尚彦, 坂本, 照夫, 岡田, 憲広, 三城, 英昭, 下村, 剛, 中嶋, 辰徳, 藤浪, 麻美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 31.10.2019
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.22.671

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Summary:大分県では2017年4月17日より,大分県遠隔画像伝送システムへの機能追加の形でクラウド型12誘導心電図伝送システムの運用を開始した。各消防本部に1台ずつのクラウド心電計を配置し,伝送には,既存のタブレット端末および回線を利用した。このシステムでは5地域中核病院を含む18施設が参加し,大分県の広い範囲を網羅している。運用開始から 2018年3月12日までに,111件(男性71例・女性40例:平均年齢75.6±12.7歳)の心電図伝送を行った。搬送先は,救命救急センター36例,PCI施設36例,地域中核病院32例で,そのほか7例あった。緊急心臓カテーテルが行われた22例(19.8%)の72.7%がACSであり,PCIが行われた14例は,コントロール群に比べ,有意にdoor to balloon time(DTBT)が短縮した。また,心電図所見からACSが否定的な45例(40.5%)は,近隣の施設で対応することにより不必要な遠隔地への搬送が回避できた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.22.671