対極板の違いにより発生する低周波雑音が術中モニタリングに与える影響

【目的】術中機能モニタリング(以下IOM)は術後の神経系の合併症の防止,低減を目的に施行されているが,外部雑音に影響されやすい.対極板は接触監視モニタで接触状態を常に監視しているが,これが外部雑音となりIOMに影響するかは報告されていない.今回,対極板の違いにより発生する低周波雑音がIOMに与える影響を検討した.【方法】健常人8人を対象とした.対極板の種類は導電型,容量結合型を用い,被験者の大腿部に設置した.IOMの記録電極は被検者の内側広筋,大腿直筋を被験筋とし対極板を挟むように留置した.対極板をつけない状態で被験筋からbaselineを取得後に導電型,容量結合型ともに1分程度測定した.結果...

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Published in生体医工学 Vol. Annual56; no. Abstract; p. S98
Main Authors 山田, 奨人, 江夏, 怜, 山本, 恭輔, 大村, 慶太, 加藤, 理加, 田村, 秀朗, 長谷川, 武生, 橋本, 修一, 橋本, 佳苗, 千原, 伸也, 室橋, 高男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
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Summary:【目的】術中機能モニタリング(以下IOM)は術後の神経系の合併症の防止,低減を目的に施行されているが,外部雑音に影響されやすい.対極板は接触監視モニタで接触状態を常に監視しているが,これが外部雑音となりIOMに影響するかは報告されていない.今回,対極板の違いにより発生する低周波雑音がIOMに与える影響を検討した.【方法】健常人8人を対象とした.対極板の種類は導電型,容量結合型を用い,被験者の大腿部に設置した.IOMの記録電極は被検者の内側広筋,大腿直筋を被験筋とし対極板を挟むように留置した.対極板をつけない状態で被験筋からbaselineを取得後に導電型,容量結合型ともに1分程度測定した.結果から周波数スペクトルを作成し,1-200Hz程度を低周波雑音としてbaselineと比較した.検討項目は被験筋に対しての導電型,容量結合型の平均雑音とした.【結果】内側広筋での容量結合型,導電型の平均雑音は53.9±3.16dB,48.0±1.03dBと容量結合型で高値であった(p<0.05).同様に大腿直筋においても容量結合型,導電型の平均雑音は63.2±1.73dB,56.5±1.51dBと容量結合型で高値であった(p<0.05).【考察】本検討では導電型が容量結合型よりも有用なIOMを施行できることが示唆された.適切な対極板を選択することは外部雑音を減らし,より正確にIOMを施行できると考えられた.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S98