核酸医薬デリバリーが切り拓く先端医療

近年の核酸化学の発展により、酵素分解耐性を有し、高い薬理活性をもつ核酸医薬が次々と開発されている。しかしながら、その送達先は肝臓にほぼ限定されており、核酸医薬のポテンシャルを十分に利用できているとは言い難い。この課題に対し、筆者らは肝臓以外の臓器を標的とした核酸医薬デリバリーシステムを開発してきた。具体的には、カチオン性セグメントを有する合成高分子を基盤材料として用いて核酸医薬を含むポリイオンコンプレックスを調製し、その構造や物性を精密に制御することで、肝臓以外の臓器を標的可能にしてきた。本稿では、筆者らの研究グループの近年の研究成果について概説する。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inDrug Delivery System Vol. 40; no. 1; pp. 37 - 44
Main Authors 山田, 直生, 宮田, 完二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 25.01.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.40.37

Cover

More Information
Summary:近年の核酸化学の発展により、酵素分解耐性を有し、高い薬理活性をもつ核酸医薬が次々と開発されている。しかしながら、その送達先は肝臓にほぼ限定されており、核酸医薬のポテンシャルを十分に利用できているとは言い難い。この課題に対し、筆者らは肝臓以外の臓器を標的とした核酸医薬デリバリーシステムを開発してきた。具体的には、カチオン性セグメントを有する合成高分子を基盤材料として用いて核酸医薬を含むポリイオンコンプレックスを調製し、その構造や物性を精密に制御することで、肝臓以外の臓器を標的可能にしてきた。本稿では、筆者らの研究グループの近年の研究成果について概説する。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.40.37