ヒト健常者および肝硬変症患者での血清ヒオコール酸 (HCA) の生理学的・臨床的意義の検討
目的: ヒオコール酸 (HCA) は, ブタの胆汁から抽出された胆汁酸で, ヒトにも存在することが報告されている. 今回, ヒトの生体内におけるHCAの生理学的・臨床的意義について, 健常者および肝硬変症患者について検討した.対象: 健常群 (健常者) 380例, 疾患群 (肝硬変症患者) 41例.方法: 早朝空腹時に採血しELISA法でHCAを測定した. 同時にGlutamic oxaloacetic transaminase (GOT), Glutamic pyruvic transaminase (GPT), Total bile acid (TBA) についても測定し, 統計学的に検討...
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Published in | 順天堂医学 Vol. 52; no. 3; pp. 399 - 405 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
順天堂医学会
2006
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Subjects | |
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Summary: | 目的: ヒオコール酸 (HCA) は, ブタの胆汁から抽出された胆汁酸で, ヒトにも存在することが報告されている. 今回, ヒトの生体内におけるHCAの生理学的・臨床的意義について, 健常者および肝硬変症患者について検討した.対象: 健常群 (健常者) 380例, 疾患群 (肝硬変症患者) 41例.方法: 早朝空腹時に採血しELISA法でHCAを測定した. 同時にGlutamic oxaloacetic transaminase (GOT), Glutamic pyruvic transaminase (GPT), Total bile acid (TBA) についても測定し, 統計学的に検討した.結果: 1. HCAの中央値は, 健常群の10歳代と90歳以上代で有意に高値を示した.2. HCAの中央値は, 健常群の男女間で有意な差は認められなかった.3. 疾患群でHCA, GOT, GPT, TBAの中央値は, 有意に高値を示した.4. HCAの中央値は, 疾患群でGOT, TBAとの間に正の相関を認めたが, GPTとの間には相関は認められなかった.結論: HCAはTBAと相関し, 健常群, 疾患群で胆汁うっ滞との関連の可能性が示唆された. ヒト血清中HCAの測定は, 肝硬変症などの胆汁うっ滞を伴う疾患の診断, 予後の予測の一つとなりうる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0022-6769 2188-2134 |
DOI: | 10.14789/pjmj.52.399 |