口頭指導による心肺停止予後改善効果の検討 熊本市消防局心肺停止活動記録の検討より

背景:院外心肺停止に対する,情報指令員による心肺蘇生(CPR)の口頭指導は蘇生ガイドラインで推奨されるが,その神経学的予後の改善効果は明らかではない。今回,熊本市消防局の心肺停止活動記録を用いて,口頭指導の予後改善効果を検討した。方法:2013年1月から2014年12月における熊本市消防局活動記録を後方視的に検討した。口頭指導あり・の2群に分類し,傾向スコア解析を用いて神経学的予後を比較検討した。また2群間のバイスタンダーCPRおよびAED使用率について比較検討した。結果:傾向スコア解析による口頭指導あり群(n=701)と群(n=290)の神経学的予後(CPC1-2)比較で,口頭指導あり群は有...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 19; no. 6; pp. 716 - 719
Main Authors 金子, 唯, 池松, 英治, 池田, 光隆, 笠岡, 俊志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 01.12.2016
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.19.716

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Summary:背景:院外心肺停止に対する,情報指令員による心肺蘇生(CPR)の口頭指導は蘇生ガイドラインで推奨されるが,その神経学的予後の改善効果は明らかではない。今回,熊本市消防局の心肺停止活動記録を用いて,口頭指導の予後改善効果を検討した。方法:2013年1月から2014年12月における熊本市消防局活動記録を後方視的に検討した。口頭指導あり・の2群に分類し,傾向スコア解析を用いて神経学的予後を比較検討した。また2群間のバイスタンダーCPRおよびAED使用率について比較検討した。結果:傾向スコア解析による口頭指導あり群(n=701)と群(n=290)の神経学的予後(CPC1-2)比較で,口頭指導あり群は有意に予後良好であった(オッズ比2.338(1.161-4.711),P=0.0176)。口頭指導あり群は,有意にバイスタンダーCPR・AED使用率が高かった。結論:口頭指導の神経学的予後改善効果が示唆された。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.19.716