6型コラーゲン関連筋疾患における術後の歩行能力変化 装具療法に次いで手術に至った事例への理学療法経験から

〔目的〕6型コラーゲン関連筋疾患に対し,術前の装具療法によって両アキレス腱延長術後もスムーズに実用的な歩行能力を得られたため,その経過について報告する.〔対象と方法〕30歳代男性.6型コラーゲン関連筋疾患の診断.成長期を過ぎて内反尖足が進行し荷重時痛を生じ,徐々に歩行実用性が低下し,当院に受診した.当初手術を希望せず,足底装具を作成した.その2年後,歩行能力改善を目指して両アキレス腱延長術を実施し,術後早期から立位,歩行を中心とした理学療法を実施した.〔結果〕足底装具装着によって膝伸展筋力改善および姿勢制御戦略の変更がなされた.術後半年には術前歩行能力を上回った.〔結語〕進行性筋疾患の成人期重...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法科学 Vol. 36; no. 4; pp. 631 - 636
Main Authors 近藤, 夕騎, 有明, 陽佑, 三浦, 篤行, 野澤, 大輔, 大矢, 寧, 松井, 彩乃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2021
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:〔目的〕6型コラーゲン関連筋疾患に対し,術前の装具療法によって両アキレス腱延長術後もスムーズに実用的な歩行能力を得られたため,その経過について報告する.〔対象と方法〕30歳代男性.6型コラーゲン関連筋疾患の診断.成長期を過ぎて内反尖足が進行し荷重時痛を生じ,徐々に歩行実用性が低下し,当院に受診した.当初手術を希望せず,足底装具を作成した.その2年後,歩行能力改善を目指して両アキレス腱延長術を実施し,術後早期から立位,歩行を中心とした理学療法を実施した.〔結果〕足底装具装着によって膝伸展筋力改善および姿勢制御戦略の変更がなされた.術後半年には術前歩行能力を上回った.〔結語〕進行性筋疾患の成人期重度尖足に対して,手術に術前装具療法を組み合わせることで良質な歩行再建法となり得ることが示された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.36.631