スペクトル大気大循環モデルI.地球大気に対する予備的時間積分
気候および大気大循環(地球のみならず他の惑星を含む)に関する広範な問題を研究するためには,取扱いの容易かつ簡単な従って計算時間等の面で,より経済的なモデルが必要であり,またそれは有力な手段でもある。そのようなモデルの作成が我々の目標である。 スペクトル-格子点法を用いた三層線型バランス大気大循環スペクトルモデルを提示し,簡単な予備計算を行い,安定に長時間計算を進められることを示した。結果は観測および他の研究者によるモデル計算と比較検討された。結果の検討は,主として東西平均場および各種エネルギーとその変換•輸送量の時間変化や平衡状態における運動量•顕熱南北輸送について行なった。今回のモデルには,...
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Published in | 気象集誌. 第2輯 Vol. 57; no. 2; pp. 97 - 111 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本気象学会
1979
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Summary: | 気候および大気大循環(地球のみならず他の惑星を含む)に関する広範な問題を研究するためには,取扱いの容易かつ簡単な従って計算時間等の面で,より経済的なモデルが必要であり,またそれは有力な手段でもある。そのようなモデルの作成が我々の目標である。 スペクトル-格子点法を用いた三層線型バランス大気大循環スペクトルモデルを提示し,簡単な予備計算を行い,安定に長時間計算を進められることを示した。結果は観測および他の研究者によるモデル計算と比較検討された。結果の検討は,主として東西平均場および各種エネルギーとその変換•輸送量の時間変化や平衡状態における運動量•顕熱南北輸送について行なった。今回のモデルには,超長波の生成維持に重要とされている大規模地形や冷熱源に関する効果を取り入れていない。モデルの範囲内では充分妥当と思われる結果が得られた。さらに大気大循環をシミュレートするに充分な,また精巧なモデルにするためには,上記の非断熱効果や各種パラメータ(あるいは,種々の物理過程のパラメタリゼーション)の,より適切な取扱いについての検討が必要であり,また課題である。 |
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ISSN: | 0026-1165 2186-9057 |
DOI: | 10.2151/jmsj1965.57.2_97 |