精神科作業療法の効果評価への心拍変動の利用
精神科領域において治療効果の定量的な評価手法は乏しく、質問紙や精神状態の安定度合いが評価に用いられていた。今回、精神科作業療法のひとつであるリラクゼーションプログラムの治療効果として、交感神経活動への作用に注目し心拍変動の周波数解析を用いた評価を試みた症例を提示する。本症例では、リラクゼーションプログラム中の心拍数の低下、Ln LF/HF 値の低下、Ln HF値の上昇を認め、副交感神経系の活性化と交感神経系の抑制が示唆された。従来、心拍変動は循環器領域や麻酔領域で使用されていたが、精神科領域における定量的な治療効果測定に用いることができる可能性がある。...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 71; no. 2; pp. 97 - 100 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.71.97 |
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Summary: | 精神科領域において治療効果の定量的な評価手法は乏しく、質問紙や精神状態の安定度合いが評価に用いられていた。今回、精神科作業療法のひとつであるリラクゼーションプログラムの治療効果として、交感神経活動への作用に注目し心拍変動の周波数解析を用いた評価を試みた症例を提示する。本症例では、リラクゼーションプログラム中の心拍数の低下、Ln LF/HF 値の低下、Ln HF値の上昇を認め、副交感神経系の活性化と交感神経系の抑制が示唆された。従来、心拍変動は循環器領域や麻酔領域で使用されていたが、精神科領域における定量的な治療効果測定に用いることができる可能性がある。 |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.71.97 |