IX.ジカウイルス感染症の現状と動向

ジカウイルス(Zika virus:ZIKV)は発疹,発熱,結膜炎などを呈する一般に予後良好な疾患(ジカ熱)の病原体である.近年,ヒトと蚊による都市型感染環を形成して,東南アジア,大洋州,中南米などで流行を起こすようになった.この流行を契機に,Guillain-Barré症候群(Guillain-Barré syndrome:GBS)や小頭症を特徴とする先天異常との関連が指摘され,世界的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に認定されている.日本でも輸入症例が今後増加する可能性があり,注意が必要である....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 105; no. 11; pp. 2167 - 2173
Main Author 加藤, 康幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2016
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Summary:ジカウイルス(Zika virus:ZIKV)は発疹,発熱,結膜炎などを呈する一般に予後良好な疾患(ジカ熱)の病原体である.近年,ヒトと蚊による都市型感染環を形成して,東南アジア,大洋州,中南米などで流行を起こすようになった.この流行を契機に,Guillain-Barré症候群(Guillain-Barré syndrome:GBS)や小頭症を特徴とする先天異常との関連が指摘され,世界的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に認定されている.日本でも輸入症例が今後増加する可能性があり,注意が必要である.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.105.2167