成層圏から対流圏へのオゾンの流入過程の航空機観測

ジェット流近傍は成層圏と対流圏の空気・微量気体成分の交換が行なわれる場所の一つと考えられている。本報告ではジェット流に伴う前面付近のオゾン・CF2Cl2・気温の航空機による観測値とルーチン高層観測資料を用いて、成層圏から対流圏への流入過程の解析を行った。  成層圏からの空気・オゾン等はジェット流に伴う寒帯前面に沿って高度3kmまで層状に侵入することが分った。  また侵入した前面内のオゾンは、前面の底部 (北側) で周囲の空気と混合される。この混合過程は高度5kmと7kmとで比較すると5kmではるかに強いことが分った。また5kmでの混合には水平スケールが5~20kmの擾乱が重要な役割を演じている...

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Published inPapers in Meteorology and Geophysics Vol. 35; no. 1; pp. 1 - 10
Main Authors 村松, 久史, 佐々木, 徹, 広田, 道夫, 牧野, 行雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 気象庁気象研究所 1984
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Summary:ジェット流近傍は成層圏と対流圏の空気・微量気体成分の交換が行なわれる場所の一つと考えられている。本報告ではジェット流に伴う前面付近のオゾン・CF2Cl2・気温の航空機による観測値とルーチン高層観測資料を用いて、成層圏から対流圏への流入過程の解析を行った。  成層圏からの空気・オゾン等はジェット流に伴う寒帯前面に沿って高度3kmまで層状に侵入することが分った。  また侵入した前面内のオゾンは、前面の底部 (北側) で周囲の空気と混合される。この混合過程は高度5kmと7kmとで比較すると5kmではるかに強いことが分った。また5kmでの混合には水平スケールが5~20kmの擾乱が重要な役割を演じていることも示唆された。
ISSN:0031-126X
1880-6643
DOI:10.2467/mripapers.35.1