中山間地におけるラピッドカーとドクターヘリ協動事案の実態 ラピッドカー看護師の役割

三次医療機関から離れた中山間地での当院ラピッドカー(rapid car,以下RC)では,全臨場事案1,035件のうち112件で三次医療機関(救命救急センターと心臓専門施設)への搬送であり,そのうち29件がドクターヘリ協働となっていた。現場での初期診断と安定化治療に必要であった時間は平均16.9分,現場からランデブーヘリポートまでの搬送診療時間は9.8分であった。この間に,診療を行いながら,紙カルテ(複写3枚目が診療情報提供書となっている)を作成してドクターヘリチームに申し送る必要があり,当院のように必ずしも看護師が同乗せず医師1名での出場のあるRCではその記載が十分に行えていない危惧がある。さ...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 594 - 599
Main Authors 鈴木, 晴敬, 中川, 隆, 高橋, さやか, 松本, 卓也, 間渕, 則文, 林, 佑磨, 福士, 博之, 比嘉, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 31.08.2020
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.23.594

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Summary:三次医療機関から離れた中山間地での当院ラピッドカー(rapid car,以下RC)では,全臨場事案1,035件のうち112件で三次医療機関(救命救急センターと心臓専門施設)への搬送であり,そのうち29件がドクターヘリ協働となっていた。現場での初期診断と安定化治療に必要であった時間は平均16.9分,現場からランデブーヘリポートまでの搬送診療時間は9.8分であった。この間に,診療を行いながら,紙カルテ(複写3枚目が診療情報提供書となっている)を作成してドクターヘリチームに申し送る必要があり,当院のように必ずしも看護師が同乗せず医師1名での出場のあるRCではその記載が十分に行えていない危惧がある。さらに慌ただしい医療環境の中で患者家族のケアの質は保たれているとは考え難く,RCの提供する病院前救急診療でも看護師の同乗・診療支援は必須であると考えられる。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.23.594