養殖トラフグのヘテロボツリウム寄生―野外観察
稚魚期から出荷サイズまで同一魚群の養殖トラフグのヘテロボツリウム寄生を1年半にわたり隔月に調べた。寄生虫は初め鰓弁に認められたが, 鰓から鰓腔壁に移動した後に成熟した。夏では寿命は6カ月以内と推定された。寄生率と寄生数は季節や宿主固体差による変動が大きかったが, 水温上昇とともに増加傾向がみられた。魚によって, 鰓や鰓腔壁の寄生数に有意な左右差がみられる場合があり, 極端な場合, 虫体は片側にのみ偏在した。本観察例では寄生数が比較的低かったため, ヘテロボツリウム寄生は血液性状にはあまり影響しなかった。...
Saved in:
Published in | 魚病研究 Vol. 32; no. 1; pp. 15 - 20 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
日本魚病学会
1997
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0388-788X 1881-7335 |
DOI | 10.3147/jsfp.32.15 |
Cover
Summary: | 稚魚期から出荷サイズまで同一魚群の養殖トラフグのヘテロボツリウム寄生を1年半にわたり隔月に調べた。寄生虫は初め鰓弁に認められたが, 鰓から鰓腔壁に移動した後に成熟した。夏では寿命は6カ月以内と推定された。寄生率と寄生数は季節や宿主固体差による変動が大きかったが, 水温上昇とともに増加傾向がみられた。魚によって, 鰓や鰓腔壁の寄生数に有意な左右差がみられる場合があり, 極端な場合, 虫体は片側にのみ偏在した。本観察例では寄生数が比較的低かったため, ヘテロボツリウム寄生は血液性状にはあまり影響しなかった。 |
---|---|
ISSN: | 0388-788X 1881-7335 |
DOI: | 10.3147/jsfp.32.15 |