2.成人領域

肺炎球菌は小児の20~40%,成人の5~10%が保菌しており,肺炎や髄膜炎などの重篤な疾患を引き起こす.また,インフルエンザに二次感染することで重症化することが明らかとなっている.肺炎球菌感染症の予防のために,小児には7価肺炎球菌蛋白結合型ワクチン(PCV7)(2013年11月からは13価肺炎球菌蛋白結合型ワクチン(PCV13)),成人には23価肺炎球菌莢膜多糖体型ワクチン(PPV23)の接種が推奨されているが,米国では2000年に小児へPCV7が導入されて以来,集団免疫効果により小児だけでなく高齢者でも侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と肺炎が減少している.現在,他の先進国と比べて,日本のインフ...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 102; no. 11; pp. 2936 - 2944
Main Author 丸山, 貴也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2013
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.102.2936

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Summary:肺炎球菌は小児の20~40%,成人の5~10%が保菌しており,肺炎や髄膜炎などの重篤な疾患を引き起こす.また,インフルエンザに二次感染することで重症化することが明らかとなっている.肺炎球菌感染症の予防のために,小児には7価肺炎球菌蛋白結合型ワクチン(PCV7)(2013年11月からは13価肺炎球菌蛋白結合型ワクチン(PCV13)),成人には23価肺炎球菌莢膜多糖体型ワクチン(PPV23)の接種が推奨されているが,米国では2000年に小児へPCV7が導入されて以来,集団免疫効果により小児だけでなく高齢者でも侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と肺炎が減少している.現在,他の先進国と比べて,日本のインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種率は低い水準にあり,今後は両ワクチンの接種率を向上する必要がある.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.102.2936