近赤外分光法による脳機能計測における外乱の検出と補正法の検討

近赤外分光法(NIRS:near-infrared spectroscopy)による脳機能計測法において、姿勢変化や呼吸変化等に伴う血流変化などの脳機能に関連しない現象(以下、外乱と呼ぶ)が測定結果に影響を及ぼす場合がある。この外乱の影響を把握して低減することを目的として補正機能を持つシステムを構成し、姿勢の変化が脳機能計測に及ぼす影響と補正機能による低減効果を評価した。提案する計測法では、外乱を補正するために正三角形を基本としたプローブ配置を用いる。これは三角形の頂点間で照射受光を行い測定信号を、補正信号を重心での受光から補正信号を取得する方法である。この配置の実現のため、時分割法とアダマー...

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Published in生体医工学 Vol. Annual56; no. Abstract; p. S57
Main Authors 福田, 恵子, 佐藤, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
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Summary:近赤外分光法(NIRS:near-infrared spectroscopy)による脳機能計測法において、姿勢変化や呼吸変化等に伴う血流変化などの脳機能に関連しない現象(以下、外乱と呼ぶ)が測定結果に影響を及ぼす場合がある。この外乱の影響を把握して低減することを目的として補正機能を持つシステムを構成し、姿勢の変化が脳機能計測に及ぼす影響と補正機能による低減効果を評価した。提案する計測法では、外乱を補正するために正三角形を基本としたプローブ配置を用いる。これは三角形の頂点間で照射受光を行い測定信号を、補正信号を重心での受光から補正信号を取得する方法である。この配置の実現のため、時分割法とアダマール符号を組み合わせた変調・復調方式を適用した2波長3チャネルのシステムを構築し、計測実験を行った。まず、前頭部にプローブを配置して姿勢変化に伴う血液量変化を測定し、姿勢変化に伴い頂点間と重心の両方で光強度変化が生じることを確認した。次に、重心信号を用いて補正を行った。補正による効果は姿勢変化の条件やプローブ位置に依存するが、提案する補正手法は、血液量変化などの外乱の影響の低減に有効である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S57