交流3,000V電位負荷による老化モデルラットにおけるコラーゲン合成促進効果
交流高圧電位負荷の生体におよぼす影響はこれまでに血圧を正常に調製する作用, 血清のCaおよびCa2+を増加させ血液のpHをアルカリ性に傾かせる作用, ウサギの骨折における仮骨形成促進作用などが報告されている。本研究では交流3000V電位負荷が疑似老化モデルラットのコラーゲン合成に及ぼす影響について検討した。疑似老化モデルラットは6%タンパク食で3週間飼育し作成した。交流3000V電位負荷を1, 4および6週間連続負荷し, 実験終了の1週間前にFFP肉芽形成実験を行った。6週間の連続負荷により肉芽重量は87%, 肉芽中の hydoxyproline 量は71%それぞれ有意に (p<0.05...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 62; no. 2; pp. 95 - 102 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
1999
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.62.95 |
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Summary: | 交流高圧電位負荷の生体におよぼす影響はこれまでに血圧を正常に調製する作用, 血清のCaおよびCa2+を増加させ血液のpHをアルカリ性に傾かせる作用, ウサギの骨折における仮骨形成促進作用などが報告されている。本研究では交流3000V電位負荷が疑似老化モデルラットのコラーゲン合成に及ぼす影響について検討した。疑似老化モデルラットは6%タンパク食で3週間飼育し作成した。交流3000V電位負荷を1, 4および6週間連続負荷し, 実験終了の1週間前にFFP肉芽形成実験を行った。6週間の連続負荷により肉芽重量は87%, 肉芽中の hydoxyproline 量は71%それぞれ有意に (p<0.05) 増加した。6週間の交流3000V電位負荷は疑似老化により低下したコラーゲン合成能を賦活させた。肉芽の組織学的所見は交流3000V負荷群では毛細血管が著しく発達し, 血管内皮細胞は肥厚し, リンパ球, 線維芽細胞が多数観察され, 形成されたコラーゲン線維は太く良く発達していた。肉芽形成は創傷治癒の初期段階に位置し, 電位負荷による線維芽細胞の発達は肉芽の成熟を促進し, 創傷治癒過程を促進するものと考える。 |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.62.95 |