日常生活活動の違いが血清脂質に及ぼす影響
循環器疾患の予防対策の一つとして身体活動が, 注目されている。本報告では, 日常身体活動の違いがどの程度血清脂質量に影響を及ぼすかを検討するために, フィールド調査及び実験的研究を行ったので報告する。 フィールド調査の結果, 測定した7項目の血清脂質量のうち, HDL-コレステロールは, 消費エネルギー/体重と統計的に有意な正の相関関係が認められ (p<0.01), さらにトリグリセライドと動脈硬化指数とは, 統計的に有意な負の相関関係が認められた (P<0.01)。さらに実験的研究において, 軽度の付加運動を健康な女子に実施したのであるが, HDLコレステロールは, 統計的に有意...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 42; no. 2; pp. 66 - 71 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
1993
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.42.66 |
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Summary: | 循環器疾患の予防対策の一つとして身体活動が, 注目されている。本報告では, 日常身体活動の違いがどの程度血清脂質量に影響を及ぼすかを検討するために, フィールド調査及び実験的研究を行ったので報告する。 フィールド調査の結果, 測定した7項目の血清脂質量のうち, HDL-コレステロールは, 消費エネルギー/体重と統計的に有意な正の相関関係が認められ (p<0.01), さらにトリグリセライドと動脈硬化指数とは, 統計的に有意な負の相関関係が認められた (P<0.01)。さらに実験的研究において, 軽度の付加運動を健康な女子に実施したのであるが, HDLコレステロールは, 統計的に有意な上昇を示した (P<0.01)。さらに, 動脈硬化指数についても, 統計的に有意な低下を認めた。(P<0.05) しかしながら, 総コレステロール及びトリグリセライドは被験者間のバラツキが大きく, 統計的に有意な変化は認めなかった。以上, 日常の身体活動の差異及び軽度な運動付加において, 血清脂質量が影響を受けていることが認められ, 食事による影響がなかったとは言い切れないが, 日常の身体活動を活発にすることにより, 良好な血清脂質パターンが得られることが認められ, 循環器疾患予防に日常の生活活動の重要性を示唆した。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.42.66 |