食品及び環境材料から分離されたいわゆる大腸菌群の分類学的解析

豆腐, 惣菜などの食品及び調理器具, 飲料水などの環境材料から分離された大腸菌群を主体とするグラム陰性, 通性嫌気性, 発酵性桿菌2,842株の細菌分類学的解析を行った. 応用細菌学では大腸菌群に数菌種を与えているにすぎないが, 供試した2,842株は分類学的に51菌種に分けられた. IMViCシステムで E. coli とされる菌群には, E. coli のほか, おそらく環境由来菌とみなされる8菌種がみられ, 真の E. coli とこれらの菌種とはもっとも簡便には44.5°培養で鑑別できることが確認されたが, E. coli にもこの温度で発育しないものが約17%あった. また E. c...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in食品衛生学雑誌 Vol. 25; no. 4; pp. 322 - 328_1
Main Authors 坂崎, 利一, 寺本, 忠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 01.08.1984
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.25.322

Cover

More Information
Summary:豆腐, 惣菜などの食品及び調理器具, 飲料水などの環境材料から分離された大腸菌群を主体とするグラム陰性, 通性嫌気性, 発酵性桿菌2,842株の細菌分類学的解析を行った. 応用細菌学では大腸菌群に数菌種を与えているにすぎないが, 供試した2,842株は分類学的に51菌種に分けられた. IMViCシステムで E. coli とされる菌群には, E. coli のほか, おそらく環境由来菌とみなされる8菌種がみられ, 真の E. coli とこれらの菌種とはもっとも簡便には44.5°培養で鑑別できることが確認されたが, E. coli にもこの温度で発育しないものが約17%あった. また E. coli 188株中の13.3%は乳糖遅または非発酵性, さらに乳糖発酵性菌株の10.4%はガス非産生で, これらは現行の大腸菌群検査では指標菌とはみなされないことが指摘された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.25.322