長期経口投与によるカドミウムのマウス肝・腎への蓄積 大気マイクロPIXEによる組織内カドミウムの測定

カドミウム(Cd)の微量慢性曝露によるCdの体内蓄積や生体影響を考える指標として, 我々はこれまでにCd投与とメタロチオネイン(MT)やMTmRNAの発現について検討してきた[1, 2]. 今回, これらに加えて, 大気マイクロPIXEを用いた組織内元素分析により[3], Cdを長期経口投与したマウスの肝, 腎へのCdの蓄積を測定し, 検討を行った. 方法 ICR系雌マウスにCd(CdCl2)100mg/lを含有する飲料水を自由飲水させ, 18ヵ月及び24ヵ月後に肝, 腎を摘出した. 摘出した臓器は各々2つに分割し, 一方は10%ホルマリン液で4時間固定, もう一方は未固定のまま-80℃で急速...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inBIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 16; no. 4; pp. 364 - 366
Main Authors 中里, 享美, 鈴木, 慶二, 長嶺, 竹明, 中嶋, 克行, 酒井, 卓郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本微量元素学会 2005
Online AccessGet full text

Cover

More Information
Summary:カドミウム(Cd)の微量慢性曝露によるCdの体内蓄積や生体影響を考える指標として, 我々はこれまでにCd投与とメタロチオネイン(MT)やMTmRNAの発現について検討してきた[1, 2]. 今回, これらに加えて, 大気マイクロPIXEを用いた組織内元素分析により[3], Cdを長期経口投与したマウスの肝, 腎へのCdの蓄積を測定し, 検討を行った. 方法 ICR系雌マウスにCd(CdCl2)100mg/lを含有する飲料水を自由飲水させ, 18ヵ月及び24ヵ月後に肝, 腎を摘出した. 摘出した臓器は各々2つに分割し, 一方は10%ホルマリン液で4時間固定, もう一方は未固定のまま-80℃で急速凍結させた. ホルマリン固定した肝, 腎はパラフィンに包埋し, 3μmのパラフィン切片を作製して, HE染色及び一次抗体に抗マウスMTウサギ血清, 二次抗体にヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI)(ニチレイ)を用いたMT免疫組織化学染色を行った. 凍結した肝, 腎は10μmの凍結切片を作製し, マイラー膜に貼付して自然乾燥後, 大気マイクロPIXEにより組織内の元素分布を測定した.
ISSN:0916-717X
1880-1404
DOI:10.11299/brte.16.364