脊椎圧迫骨折患者の歩行自立に影響を及ぼす因子 - 75歳以上の高齢者を対象とした後ろ向き研究

要旨: [目的] 脊椎圧迫骨折患者の退院時の歩行能力に影響を及ぼす要因を検証した. [対象] 入院前には歩行が自立していた75歳以上の脊椎圧迫骨折患者123名とした. [方法] 評価項目は, 年齢, 性別, 入院時HDS-R, 受傷前の歩行能力, 入院時骨格筋量指数(SMI), 入院時活動係数(METs), 入院時FIM運動項目(入院時FIM-M), 入院時握力とした. 退院時の歩行の自立に影響する因子をロジスティック回帰により分析し, ROC曲線から歩行自立の可否を判別するカットオフ値を検討した. [結果] 退院時の歩行自立の可否には入院時HDS-Rと入院時FIM-Mが関係することが明らかに...

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Published inヘルスプロモーション理学療法研究 Vol. 13; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 保坂公大, 大田尾浩, 深草湧大, 今村純平, 田中順子, 柴田元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘルスプロモーション理学療法学会 01.06.2023
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Summary:要旨: [目的] 脊椎圧迫骨折患者の退院時の歩行能力に影響を及ぼす要因を検証した. [対象] 入院前には歩行が自立していた75歳以上の脊椎圧迫骨折患者123名とした. [方法] 評価項目は, 年齢, 性別, 入院時HDS-R, 受傷前の歩行能力, 入院時骨格筋量指数(SMI), 入院時活動係数(METs), 入院時FIM運動項目(入院時FIM-M), 入院時握力とした. 退院時の歩行の自立に影響する因子をロジスティック回帰により分析し, ROC曲線から歩行自立の可否を判別するカットオフ値を検討した. [結果] 退院時の歩行自立の可否には入院時HDS-Rと入院時FIM-Mが関係することが明らかになった. 歩行の自立を判別する入院時HDS-Rのカットオフ値は17.5点であり, 入院時FIM-Mは32.5点であった. [結語] 75歳以上の脊椎圧迫骨折患者は, 入院時の認知機能と入院時のADLが良好であると, 退院時は歩行が自立している可能性が高いことが示唆された.
ISSN:2186-3741
DOI:10.9759/hppt.13.13