常時微動計測に基づく高速道路盛土の入力地震動設定法の検討

近年発生した2004年新潟県中越地震では関越自動車道,2007年能登半島地震では能登有料道路において盛土斜面の崩壊が発生し,高速道路が閉鎖され緊急対応や復旧の障害となった.防災上,このようなレベル2地震クラスの想定地震に対して,盛土の崩壊の範囲や程度を道路網全線にわたり把握することが重要である.そのためには,道路の各地点における地震動を適切に設定する必要がある.しかし,高速道路の延長は長大であるため,地盤条件や地震動条件が地点毎に異なる.そこで本稿では,常時微動計測結果を利用し,地点毎の特性を踏まえた高速道路盛土の入力地震動の設定法を検討した.また,国内の高速道路に適用した事例を示す.その結果...

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Published in土木学会論文集F Vol. 65; no. 4; pp. 529 - 541
Main Authors 秦, 吉弥, 一井, 康二, 加納, 誠二, 土田, 孝, 柴尾, 享, 今村, 孝志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2009
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Summary:近年発生した2004年新潟県中越地震では関越自動車道,2007年能登半島地震では能登有料道路において盛土斜面の崩壊が発生し,高速道路が閉鎖され緊急対応や復旧の障害となった.防災上,このようなレベル2地震クラスの想定地震に対して,盛土の崩壊の範囲や程度を道路網全線にわたり把握することが重要である.そのためには,道路の各地点における地震動を適切に設定する必要がある.しかし,高速道路の延長は長大であるため,地盤条件や地震動条件が地点毎に異なる.そこで本稿では,常時微動計測結果を利用し,地点毎の特性を踏まえた高速道路盛土の入力地震動の設定法を検討した.また,国内の高速道路に適用した事例を示す.その結果,提案手法によって,地盤条件や地震動条件を考慮した想定地震による地震動を推定することが可能となった.
ISSN:1880-6074
DOI:10.2208/jscejf.65.529