不陸調整用樹脂を用いた高力ボルト接合の軸力低下特性に関する基礎的研究

リベット接合を用いた古い鋼鉄道橋において,リベットに弛緩が生じた場合,高力ボルトを用いた補修が一般的である.しかし,被締め付け鋼材に腐食による表面凹凸がある場合には,接合強度の確保が困難になる.このような場合に対して,所定のボルト接合強度を確保するため,母材とワッシャとの間に樹脂を挟み込む工法を考案した.樹脂は圧縮強度が低く,高力ボルトで締め付けると樹脂が破壊してしまうため,鋼製の拘束リングを用いることでこの問題を解決できる.さらに,樹脂のクリープ変形によるボルト軸力の経時低下が大きいことから,樹脂のフィラーとして鋼球等を混入し,クリープ変形を抑制することを考えた.パラメータを変えて長期クリー...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in土木学会論文集A Vol. 66; no. 4; pp. 631 - 636
Main Authors 木村, 元哉, 立石, 晶洋, 中山, 太士, 松井, 繁之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2010
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:リベット接合を用いた古い鋼鉄道橋において,リベットに弛緩が生じた場合,高力ボルトを用いた補修が一般的である.しかし,被締め付け鋼材に腐食による表面凹凸がある場合には,接合強度の確保が困難になる.このような場合に対して,所定のボルト接合強度を確保するため,母材とワッシャとの間に樹脂を挟み込む工法を考案した.樹脂は圧縮強度が低く,高力ボルトで締め付けると樹脂が破壊してしまうため,鋼製の拘束リングを用いることでこの問題を解決できる.さらに,樹脂のクリープ変形によるボルト軸力の経時低下が大きいことから,樹脂のフィラーとして鋼球等を混入し,クリープ変形を抑制することを考えた.パラメータを変えて長期クリープ試験を行ったところ,ボルト軸力の経時低下は実用レベルまで改善され,本工法活用の目処が得られた.
ISSN:1880-6023
DOI:10.2208/jsceja.66.631