訪問看護師によるリハビリテーション利用者と理学療法士による利用者との身体的状態の比較

目的 訪問看護ステーションにおける訪問看護師によるリハビリテーションの役割を検討することを目的に,訪問看護師と理学療法士によるリハビリテーション利用者の介護サービスの提供状況および身体的状態を比較した。 方法 滋賀県済生会訪問看護ステーションを利用している者254人に対して訪問看護師(保健師を含む)および理学療法士が面接調査を行った。この調査をもとに訪問看護師によるリハビリテーション利用者(以下訪問看護群)と理学療法士によるリハビリテーション利用者(以下訪問リハ群)を選び出し,2 群間で利用者の性,年齢による 1 対 1 のマッチングを行い36ペアを作成した。調査項目は,性,年齢,主疾患,痴呆...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 52; no. 2; pp. 186 - 194
Main Authors 九里, 美和子, 松田, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2005
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.52.2_186

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Summary:目的 訪問看護ステーションにおける訪問看護師によるリハビリテーションの役割を検討することを目的に,訪問看護師と理学療法士によるリハビリテーション利用者の介護サービスの提供状況および身体的状態を比較した。 方法 滋賀県済生会訪問看護ステーションを利用している者254人に対して訪問看護師(保健師を含む)および理学療法士が面接調査を行った。この調査をもとに訪問看護師によるリハビリテーション利用者(以下訪問看護群)と理学療法士によるリハビリテーション利用者(以下訪問リハ群)を選び出し,2 群間で利用者の性,年齢による 1 対 1 のマッチングを行い36ペアを作成した。調査項目は,性,年齢,主疾患,痴呆性老人の日常生活自立度判定基準,介護サービスの提供状況および身体的状態などであった。身体的状態の調査は日常生活動作能力(ADL; Barthel Index),手段的動作能力(IADL),意識状態(GCS)とした。分析方法は,χ2 検定および t 検定を用いた。 結果 利用者の痴呆ランクIII以上の者の割合は訪問看護群が訪問リハ群に比べて有意に多かった。訪問診療サービス利用者の割合は,訪問看護群が訪問リハ群に比べて有意に多かった。身体的状態では,訪問看護群の ADL 評価点および GCS 総合点は訪問リハ群に比べて有意に低かった。また,男性において,訪問看護群の IADL は訪問リハ群に比べて有意に低かった。 結論 訪問看護師によるリハビリテーション利用者は,理学療法士によるリハビリテーションの利用者に比べて身体的状態が低いことが明らかとなった。訪問看護師は理学療法士と同行訪問の機会をつくり,利用者の身体的状態を評価していくことが重要であると考える。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.52.2_186