13族元素含有シルセスキオキサンを前駆体とする多孔質固体酸性酸化物の調製

新規13族元素含有シルセスキオキサンPhB[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11] (1) および[PPN]+{Ga[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11]2}- (3b) を新たに合成した。さらに, これらの新規シルセスキオキサン, および[HNEt3]+{Al[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11]2}- (2), [HNEt3]+{Ga[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11]2}- (3a), [C14H18N2H]+[(c-C5H9)7Si7O12GaCl]- (4) 等を723~923Kで焼成することによって, 約5.1Å径で均一に制御されたミ...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 45; no. 1; pp. 15 - 23
Main Authors 山田, 弘一, 近藤, 輝幸, 和田, 健司, 光藤, 武明
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 01.01.2002
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.45.15

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Summary:新規13族元素含有シルセスキオキサンPhB[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11] (1) および[PPN]+{Ga[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11]2}- (3b) を新たに合成した。さらに, これらの新規シルセスキオキサン, および[HNEt3]+{Al[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11]2}- (2), [HNEt3]+{Ga[(Me3SiO)(c-C5H9)7Si7O11]2}- (3a), [C14H18N2H]+[(c-C5H9)7Si7O12GaCl]- (4) 等を723~923Kで焼成することによって, 約5.1Å径で均一に制御されたミクロ細孔のみからなり, 330~520m2g-1の比表面積を示す多孔質固体酸性酸化物を得た。これらの酸化物の物性の詳細な検討により, 細孔構造が前駆体シルセスキオキサンにほとんど依存しないのに対して, 固体酸性は前駆体分子の構造や含有される13族元素, および対カチオンの影響を大きく受けることを明らかにした。中でもアルミニウムおよびガリウム架橋型シルセスキオキサン2, 3aおよび3bを乾燥空気気流中, 823K付近で焼成することによって, 比表面積が大きく, 酸点を豊富に有する酸化物が得られた。特に, 3aから得られた酸化物は強酸点を有するが, 2および3bを前駆体とした場合には弱~中程度の強度の酸点を豊富に有する酸化物が得られた。しかし, コーナーキャップ型のガリウム含有シルセスキオキサン4を前駆体とした場合には, ほとんど固体酸性を示さなかった。酸化物中の13族元素の分散性が前駆体分子に依存することを見い出したが, これらが固体酸性の差異の一因として考えられる。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.45.15