Alの結合に及ぼす鉄, pH, および金属濃度の影響

著者らはこれまでAl排泄の可能性についてDF画分との結合性の点から検討してきた. その結果, アロエやオクラ, モロヘイヤ, ワカメなどの粘性のある食品から抽出したDF画分に強い金属結合能があることを認めた. そこで, 今回はDFとAl結合能に及ぼすpHとFeおよび金属濃度の影響について検討した. 食品から分画したIDF, SDFでは, ヒジキIDF画分以外の両画分ともにAlよりFeの方が結合しやすかった. さらにゲルろ過法においてもAlとFeが共存した場合, Feの方がアルギン酸と結合しやすいことが確認された. pHを3.5から2.0に下げるとAlおよびFeとも結合量は減少したが, その差は...

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Published in日本家政学会誌 Vol. 57; no. 11; pp. 729 - 735
Main Authors 松本, 孝, 福島, 正子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本家政学会 2006
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ISSN0913-5227
1882-0352
DOI10.11428/jhej.57.729

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Summary:著者らはこれまでAl排泄の可能性についてDF画分との結合性の点から検討してきた. その結果, アロエやオクラ, モロヘイヤ, ワカメなどの粘性のある食品から抽出したDF画分に強い金属結合能があることを認めた. そこで, 今回はDFとAl結合能に及ぼすpHとFeおよび金属濃度の影響について検討した. 食品から分画したIDF, SDFでは, ヒジキIDF画分以外の両画分ともにAlよりFeの方が結合しやすかった. さらにゲルろ過法においてもAlとFeが共存した場合, Feの方がアルギン酸と結合しやすいことが確認された. pHを3.5から2.0に下げるとAlおよびFeとも結合量は減少したが, その差はAlの方が大きかった. 共存するAlとFeの濃度を順次増加させても, pH2.7±0.3ではアルギン酸へのAl結合量はわずかに増加しただけだった.
ISSN:0913-5227
1882-0352
DOI:10.11428/jhej.57.729